なぜ人は競馬に夢中になるのか
明日、競馬の祭典「日本ダービー」が行われる。
僕は競馬が好きで毎週のように賭けて楽しんでいる(お金がないので一回あたり1000円前後しか賭けていない)
競馬を身始めたのは2016年の日本ダービーからなので5年間どっぷりハマってしまっている。
それまで全く興味のなかった自分がなぜこんなにもハマってしまったのであろう
今回は競馬の魅力について書いていこうと思う。
1、許せるギャンブル
いきなり無粋なところから入ってしまうがやはり賭け事である点は競馬の魅力の大きな要素だと思う。
事実、僕が競馬を始めたきっかけは一切合切お金のためである。
そして現時点で15万円以上は負けている。
でもここでやめてしまったら、負けたまま終わる。僕はやめない。
日清食品の2代目の社長である安藤宏基の言葉にある通り「負けたくないのなら勝つまでやめないこと。それが唯一の勝利の方程式」なのだ。
僕も勝つまでやめない。
話は逸れてしまったが、人間は賭け事が好きだ。
当たるか外れるかの勝負で当たりを引いた時の幸福感は何事にも変えられない。
昨今のスマホゲームでもガチャシステムがスタンダードだ(この風潮は大嫌いだがそれはまた別の機会に)。
要するに人間はいつの時代も形を変えて賭け事を楽しんでいる。
そんな中、日本でお金を賭けれるギャンブル、いわゆる公営ギャンブルは「競馬」「競輪」「競艇」「オートレース」「宝くじ」の5つだけである。
そして、この中でも競馬は明確に異なるところがある。
馬が走るということだ。
馬は可愛い。
馬は愛くるしい。
馬は無邪気。
だから外れても許せる。
これが他の公営ギャンブルより一般に浸透している理由であると思う。
そう外れた時に「もうしょうがないなぁ」ってなるのだ。
馬に乗っているジョッキーに対しては「何やってんだぁ!!」なのに、馬に対しては「もうしょうがないなぁ」である。
外れたときの納得感、ほぼ八百長の入り込むことのない公平性、ほっこり感。
競馬は、他のギャンブルと一線を画す「許せる感」を持っている。
2、ドラマがある
競馬では数々の名ドラマが生まれる。
有馬記念11着からケガで1年の休養明けの重賞レースで優勝したトウカイテイオー。
どこまでも逃げていく快速の逃げ馬サイレンススズカのレース中の骨折。
終わったと言われている中の引退レース、有馬記念で見事優勝を果たした芦毛の怪物オグリキャップ。
馬自身はドラマを生み出そうとしているわけではない。ただ単純にゴールを目指し走るだけだ。
それなのにどうしてもなお、ドラマが生み出されてしまう。
それらは意図されたものではなく、いわば運命的に出された結果であり、人はそんなドラマに惹かれ、競馬という台本のないストーリーに酔いしれるのだ。
さて、ここで一つ、紹介させて欲しい。
JRAが作成した「夢の第11レース」というCMがある。
競馬ファンにはあまりに有名なCMである。
実際に見てもらうのが一番だが、内容を説明すると、歴代の名馬と呼ばれる馬たちが、世代を超えて一つのレースに集まるのである。
「もしも同じレースに出てたなら」というまさに競馬ファンの夢をCGなどを駆使して映像化した作品である。
先に話したサイレンススズカやオグリキャップ、競馬を知らない人でも名前は聞いたことはあるだろう日本競馬の至宝ディープインパクトなどが一堂にかいして競い合う。
まさに名作である。
そして、このCMには歴代の名馬たちだけでなく、人が出てくる。
彼らは競馬場のコースを眺め、それぞれの名馬たちが活躍した時代とその頃の自分を照らし合わせていく。
あの馬を見ていたとき、わたしは恋をしていた。
あの馬が勝った日、僕は故郷を離れた。
あの馬の引退の日、私は花嫁の父となった。
彼らは想いを募らせる。
そして、夢の第11レースはスタートするのだ。
そう。
人は競走馬たちに自分の想いを載せていくのだ。
馬も人間と同じように一頭一頭違う個性がある。
何度負けても頑張っている馬もいれば、勝ち続ける馬もいる。気性の荒い馬もいれば、大人しく真面目に走る馬もいる。白毛も芦毛も栗毛もいる。
その中から自分のお気に入りの馬を見つけ、その馬に自分の頑張りの結果である「お金」を賭けて、1着になるように応援するのだ。
人はみな、様々な「想い」がある。
お金を稼ぎたい、あの人に告白したい、仕事で成功したい、あいつに勝ちたい、強くなりたい、病気を治したい、幸せになりたい。
それらの想いを、人は勝手に馬に乗せ、応援するのだ。
「勝ってくれ」と。
「走り切ってくれ」と。
純粋な馬であるからこそ「想い」は乗せれる。
だからこそ本気で応援し、本気で悔しがり、本気で喜ぶ。
競馬の魅力はそこに集約されていると僕は思う。
明日は日本ダービー。
一年で一番、人の想いが集まる日である。
さあ、僕の想いも乗せて走っておくれ。
「大金持ちになりたい」